■また調整するの!?
「また調整するの!?って思ったよ。」
とおっしゃるのは、川崎市高津区のA・Sさん。63歳男性。
「前に買ったお店では、いろんな補聴器の機種の性能を説明されて、
自分の予算に見合うのを選んだけど、
聞こえ方を合わせるやつ、フィッティングっていうの?
あの調整をすることが、そんなに大事とは思わなかったよ。」
と、あまり調整をしてもらった覚えがない、と振り返っています。
何回か調整をしただけで”買えた”前のお店と違い、
「何度も調整を繰り返すことに、内心”また!?”と思った。」
と、当方の販売方法に最初は戸惑ったそうです。
前の補聴器では音は大きくなるけれど、肝心な人の話し声が聞きづらくて、
何のための補聴器なのかわからず、
「補聴器なんてダメだ!」
と、結局早い段階であきらめていたのでした。
補聴器はただ単に「軽度」だとか、「中等度」だとかの程度の問題ではなく、
人それぞれの聞こえの質を、何度も合わせこむことこそが肝心なことなのです。
前のお店では、A・Sさんが補聴器は初めてなのに、
聞こえの落ちている分をただ大きくしただけなのでした。
これではリハビリもせずに、慣れようとさせるわけですから、
初めての人にはわずらわしさだけが強調されます。
肝心の相手の話しの内容がわからないのですから、
補聴器というものは「買えばいい」ものではないということを、まさに実体験していたのでした。
中途難聴者の場合、難聴の期間が長い人にとって、
補聴器は少しずつ…少しずつ…調整してゆくことが重要です。
つまりそれがとても大切な、リハビリ訓練のようなものとなります。
時間はかかりますが、そうすることによって前の聞こえ方とは
まったく違うものに「育って」いくのです。
「ハッキリ言って、補聴器を買うということが、
こんなに面倒なことだとは思わなかった!(笑)」
「でも、ゆっくり時間をかけて何度も丁寧に調整をしてくれたおかげで、
だんだん自分にぴったり合ってくるんだよね。」
「前のとは全く違うよ!今では毎日人に会って話をするのが楽しくなっちゃった!」
「本当にありがとう!」
このように感謝されました。
例えどんなに高性能な補聴器でも、単純に”買えばいい”わけでなく、
根気よく「育てる」ものだということが、お分かりいただけたようです。
こちらこそ、ありがとうございました!